インジェクタの交換

今回のミッション

今回のミッションはハイエースのインジェクタ交換です。
知り合いの車屋さんのお客様が、エンジンがかからなくなったということで、出張で修理の手伝いをすることになりました。

診断

エンジンがかからなくなる故障はいくつか考えられます。原因が正しく特定されないと、修理してもエンジンがかかるようになりません。

オーナーさんのお話では、「最近エンストする様になっていたが、エンジンをかけ直すと動きはした」、「アイドリングしているときのエンジンの振動が大きくなった」そうです。そして、「だんだんエンジンがかかり辛くなり、そしてとうとう、自宅でエンジンがかからなくなってしまった」とのことでした。

診断機Gスキャン

診断機Gスキャンを使って原因の特定を行います。しかし、エンジンがかからないので診断機に信号が送られず診断が難しかったです。

エンジンをかけるためにキーを回すと、一瞬だけ診断機に様々な数値が表示されました。その中のインジェクタ補正値とエンジンをかけた時の様子、オーナーから聞き取った話を総合的に考慮して、インジェクタを交換することにしました。

予想では、4番のインジェクタから燃料がぽたぽたと垂れているのではないかと思われます。

 

作業開始

ハイエースは座席の下にエンジンがあるので、助手席のシートを上げて作業します。

インジェクタを取り外したエンジン

写真はエンジンカバーを開けて、インジェクタを取り外した様子。コモンレールのデリバリーパイプを外すのに、フレアレンチを使います。

取り出したインジェクタ

取り外したインジェクタ。かなり汚れています。

取り出したインジェクタの先端

インジェクタの先端の様子。汚れ具合にかなり差が出ています。先端が濡れているものと乾いているものがあることが分かります。正常な燃料の噴霧が行われていなかった証拠です。

新旧インジェクタ比較

新しいインジェクタと取り外したインジェクタ。

新旧インジェクタの先端

新しいインジェクタと古いインジェクタの先端を見ると、その違いが良く分かります。

インジェクタを新しいものに交換した後は、診断機を使って車のコンピュータにインジェクタを登録してあげる必要があります。30桁の数字を4本分120文字入力。打ち間違いがないように何回も確認しました。

エンジンを再始動した様子

無事エンジンがかかりました。しかし、もの凄い白煙が。

これはシリンダーの中の、正常な噴霧ができなかったときにたまっていた燃料が出てきたものです。

白煙が薄くなってきた様子。10分ほどで収まりました。

エンジンも快調に動くようになって一件落着です。この車はこれからもバリバリ働いてくれることでしょう。

2019年06月21日