ミャンマーで金採掘

ミャンマーでゴールドラッシュ!?

今日のブログはミャンマーの話です。

ミャンマーの寺院

私も知らなかったのですが、ミャンマーでは金の採掘・採集が盛んに行われています。それこそ国中で金が採っているような状態です。試しにグーグルアースでミャンマーの川を遡って見ていくと、どこそこで金の採集を行っている様子が見られます。ミャンマーのビジネス・生活情報誌ミャンマー・ジャポンによると、国内には大規模な金採掘鉱区が5か所、小規模採掘鉱区が263か所あり、国内の金需要を満たしていないため新規のライセンス交付を行っているそうです。

 

ミャンマーの金採掘の問題

涅槃像

ミャンマーでは上記の採掘校区以外にも、川で砂金を集めている人たちがいます。これらの採集場所では、金をとるためになんと水銀を使っています。現地の人に聞くと、みんな水銀を使っているとのことなので、ライセンス交付を受けているようなところでも水銀を使っているのかもしれません。
ミャンマーに限らず発展途上国での水銀汚染が世界中で問題となっています。その主な原因は金の採掘です。

発展途上国での金の採掘は、まず金を含んだ鉱石を砕きます。そして、その鉱石を砕いたものに水銀を加えて混ぜます。すると、水銀には他の金属との合金である「アマルガム」を作る性質があるので、金に近づけると金と水銀の合金である「金アマルガム」ができます。そして、その金アマルガムを加熱して、水銀を蒸発させて金を採取します。
この方法は、古くから利用されており、奈良の大仏を建造するときにも利用されました。(奈良の大仏はできた当時は金ぴかでした。)水銀を使用しての金採掘は手軽で安価なため、残念ながら世界中で金採掘のときに水銀が使用されています。

私たちに出来ること

私たちにとってミャンマーの水銀汚染は他人事ではありません。実は、Auto Craftミャンマー支店K.A.Pのスタッフの親戚にも、水銀を使って金採集をしている人がいます。水銀の恐ろしさを知っている熊本人として放っておくことはできません。と言っても、一中小企業に出来ることは限られています。我々に出来ることは何かと考えた結果、ミャンマーでも持続可能で、水銀を使わない金の採集方法を開発し、現地に持って行くことにしました。

インレー湖

しかし、問題は山積み

ミャンマーでも持続可能で、水銀を使わない金の採集方法の開発言うは易く行うは難し、です。まず、導入費用が安くないといけません。現地で採集をしている人にはそんなに資金が無いからです。さらに、現地で採集方法を切り替えてもらうには、水銀と比べても金の採集効率が落ちないようにしなければなりません。現地の人は今日・明日の生活が懸かっているので、将来の被害のために今を我慢することが難しいからです。しかも、持ち込んだ採集方法を持続させるためには、現地でも簡単に修理出来なければなりません。車の修理でも、日本では簡単に出来るけれど、現地には部品だったり、道具だったりが無いため修理できないことが良くあるからです。道具が壊れて修理できなければ、また水銀を使った方法に戻ってしまいます。

ヤンゴン市内

現在のところ

ミャンマーの、我々が行く地域の金の採掘シーズンは乾期になる10月から。今は現地で使われている道具や手に入る材料などの情報を集めつつ、試作品を作っている所です。進捗があったらまたご報告したいと思います。

2019年05月28日